結果を得る手技と道具のコンビ技

アクティベーターを活かした施術

治療には宝、とも言える三つの方法があります。
それは、手技・物療(道具や機器を用いる)・言葉。
臨床ではこの3つの方法を駆使して
より速く・確実に結果を生み出せるよう
施術の流れを組み立てていきます。
ここでは、いま倉津オフィスで主となっている例を紹介します。

道具が眠っていませんか?

時代を超えて生き残る道具

ホームエクササイズの道具や
美容やスミミング用のグッズなどなど
よく、テレビ・ショッピングなどで紹介されて
つい、誘われるがままに買ってしまって
一度も使わずに置きっ放しになりませんか?

時代の流れのなかで、さまざまな道具が生まれ
ある時には盛んに用いられ、残るものもあれば
消えて行ったものもある。
ブームを巻き起こしたものもあり
長く活用されるようになっものもある。

同じように、時流に乗って、治療家の手にわたった
様々な道具があります。
低周波治療器や、温熱治療機。
微弱電流ローラー、マイナスイオン発生器
ゲルマニウム◯◯、水素△△・・・

そんなブームの変遷のなか
50年前に開発されて、いまなお
基本的な構造は変わらず
使い手の技術によって、進化をつづけている道具があります。
それが、ここで例にあげている”アクチベーター”です。

30年以上まえにトレンドが来て
多くのカイロプラクターが購入して
施術にとりいれていた道具です。

講習会で新しい使い方を紹介すると
「うちにもある。でも今使ってない」
「そんなふうに使えば、結果がでるんですね」

などなど、かつて一度は
臨床につかったことがある人の声があがります。
持っていない人は、明日の臨床のため
すぐにでも手に入れたくなって
「どこでかえるんですか?」と尋ねられます。

道具と手掌・なにが違う?

道具も、手掌も、さまざまな目的に応じて用いられます。
手掌は人によって個性の違いはあれど、人の手としての特徴は共通です。
一方、道具には数え切れないほどの種類がありますから
ここでは、50年前から用いられている
”アクチベーター”を例にして、記します。

手掌の特性

手指ではなく、手掌を用いる手技には
マッサージ。リンパドレナージ、筋膜リリースなどがあります。

これらの手技では、手掌の力を抜き、
手掌全体を密着させるのが基本です。

そのほかには手掌の暖かさが大切で
受ける人の気持ちを緩め、安心感を与えることができ
深いリラックスに導くことができます。

アクチベーターの特性

アクチベーターはポイントをとらえます。
ここを刺激したい、という点を定めて
ピンポイントに振動刺激を与えます。
これによって、神経系を刺激して、反射経路をリセットして
本来の状態に導くことができます。

アクチベーターと手掌・対象の違い

手法やツールとして、なにを使うにしても
それを用いて、何に対して働きかけるのか?
この対象が曖昧だと、その施術はなんの結果ももたらしません。
”痛みを解消するために、神経系を鎮静させたい”
”痛みのもとをなくすために、筋肉を弛緩させたい”
といった治療の過程を組み立て、それを実現できる手法を用いるわけです。

アクチベーターに適する対象

アクチベーターという道具は、ピンポイントに振動刺激をあたえます。
これは神経系に焦点を当てて、高い周波数の振動を与えます。
神経の伝達を助けて、機能の回復や鎮静、活性の作用もあります。

 

手掌に適する対象

手掌は広い範囲に対応する
温めることで、リラックスした状態に導き
筋肉の緊張を緩めることができます。

副交感神経を優位にして、痛みの閾値を下げたり
胃腸の働きをたけめることもできますが
アクチベーターのように直接神経系に働きかけるわけではないので
持続性は期待できません。

臨床にどう活かす?

得意分野を任せる

筋肉痛、神経痛にはアクチベータ得意です。
振動を与えるというのは、神経系そのものに働きかける方法。
一方、手掌は広い範囲で筋膜の緊張を緩めたり、リンパ液の流れを整える、
といった筋組織そのものや体液の流れそのものに働きかける方法です。

からだの働きやその時々の状態は、神経が指令を送り、筋肉や臓器が働き、
また神経がその反応を脳に伝える、という
フィードバックの連携で成り立っています。

そうすると、よい状態、よい働きに向かうようにするには
神経系とその指令を受ける組織そのもの、この両方に
働く手法を組み合わせると、相乗作用で
足し算ではない、予想外の結果が生まれます。

施術者はクライアントの状態に応じて
不調の原因と、結果として不調が起きてくる
過程を読み解き、その過程にある不具合を解消していけばよいのです。

アクチベーターと手掌での技を用いて
実際に身体に起きている不具合を解くとともに
言葉でも解き明かしてあげるのが大切です。

身体と言葉で解き明かす

道具と手掌の技で、不調が解消されても
クライアントには自覚がないことがあります。

身体の状態そのものは変化して、治療結果がでているのに
本人の頭が、そして、感覚が、よくなった自分を
受け止められないということが起こります。

体に起きていることを頭で理解するのを手伝ってあげる必要があります。
そして、感じとる感性を育てていく必要があります。

施術前と施術後の首や肩、足の動きや
曲げ伸ばししてみたときの身体の硬さ、など。

自分の身体とコミュニケーションを取るように
具体的に試して、確かめることが大切です。

つぎの状態を示す

治療家はクライアントが自分自身の身体に意識を向けて
その変化や、いまの状態を感じるための
ガイド役になってください。

この全体の治療過程には、先に記した3つの宝が必要です。
手技と道具と言葉。

これさえあれば、治療家は
クライアントがよりよい状態になっていく
ガイドの役割を果たせます。

治療院から、帰られるときには
「ありがとう」の声と、次回の約束があります。
つぎはまたもっと快適に向かいます。
自身をもって、伝えてください。

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